2025.01.16 お知らせ
生活環境や労働環境、社会構造といった健康を左右する社会的・経済的な要素を「健康の社会的決定要因 Social Determinants of Health (SDH)」と呼びます。
SDHについては、日本プライマリケア連合学会でも、健康の社会的決定要因検討委員会を設置し「健康格差に対する見解と行動指針」が出されています(*1)。
この間南浜ファミリークリニックでは、「実践SDH診療」をテキストに症例検討を行ってきました。
今回からは南浜ファミリークリニックでの実際の症例を用いて、多職種で社会的バイタルサイン(social vital signs:SVS)(*2)を作成し症例検討を行いました。
オンラインで船橋二和病院研修医も参加しています。
今回の症例は心不全で来院した、ビザが切れ不法在留の外国人の方です。
費用面から入院を希望されず、外来通院で症状は改善されました。
しかし、クリニックのSWによる聞き取りから、経済的困窮による栄養状況や生活状況への支援が必要と判断。
クリニックのスタッフのみならず、行政やNPO法人の力も借りて生活を立て直しました。
また、パスポート再発行となり帰国となり、母国での医療を受けられるようになっています。
帰国の際には「命を助けてもらってありがとう」「落ち着いた頃にまた戻ってくるね」と感謝の言葉を頂いたことも報告されました。
参加した研修医からは「患者さんの抱える問題点を整理して洗い出していく重要性を知った」「知らない制度や法律もたくさんあり、それらを駆使して患者さんの抱える問題解決がとても勉強になった」と感想が出されました。
カンファレンスには千葉大学予防医学センター特任教授の近藤克則先生、 特任研究員飯塚玄明先生もご参加いただいています。
先生方からは、他職種による共同の強みやオフィシャルサポートとアンオフィシャルサポートの使い方など助言を頂きました。
南浜ファミリークリニックのホームページは、下記よりご覧いただけます。
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